原因
豊胸手術を行った後に胸の痛みを感じることがありますが、それには様々な原因があります。原因は手術の種類、術後どのくらい経過しているかによって原因を考えることができます。
シリコンバッグによる痛み
大きめのサイズのシリコンバッグを挿入した際、術後数時間が経過して麻酔が切れてくると痛みが出てきます。
大胸筋の下にバッグを入れる際には、挿入する前に「剥離」という作業を行います。大胸筋はその下の肋骨に張り付いているため、バッグを挿入するスペースを作らなければなりません。その影響で、筋肉痛のような痛みが出ます。ただし、処方する鎮痛剤を服用していただければ数日で治まる程度です。
また、剥離した大胸筋が再びくっついてしまうとバッグが動かなくなり、不自然な形になってしまいます。それを予防するためにマッサージを行いますが、1~2週間は痛みを伴う可能性があります。
さらに、術後1週間までの間は、感染症に注意が必要です。傷が化膿すると痛みが出ますが、早期であれば抗生物質で治療できます。
数ヵ月~1年程度経過した頃に痛みと胸の固さが出てきた場合には、カプセル拘縮の可能性があります。バッグの表面に被膜というカプセルができて徐々に固くなっていくと同時に、痛みを伴うことがあります。カプセル拘縮が起きた場合にはバッグを交換したり、別の種類の豊胸手術を行ったりしなければいけないこともありますので、なるべく早めに診察をお受けください。
脂肪注入による痛み
脂肪注入の場合、バッグに比べて痛みは少ないですが、術後1~2週間経過してから痛みや発熱を生じることがごく稀にあります。この場合、脂肪壊死が疑われます。脂肪壊死を起こした場合には、早めの処置が必要です。お早めに診察をお受けください。