ガーデンクリニックに『ボランティア外来』というものがあるのはご存知でしょうか?
特に大きくアピールしていないので、ご存知の方は少ないかもしれません。
でもガーデンクリニックにとって、実はなくてはならない診療科目なんです。
ボランティア外来とは?そしてその原点は?
ボランティア外来では、青あざのような太田母斑や、唇や上あごが割れた状態で生まれてくる口唇口蓋裂、隣り合う指がくっついている合指症や、正常より指の数が多い多指症など、先天性奇形の手術・治療を、ボランティアの名の通り、すべて無料で行っています。
なぜ他にはないそんな外来を、それも無料でやっているのか?
その原点は、僕が美容外科を目指したきっかけであるブラジルの美容外科医イヴォ・ピタンギ先生にあります。ピタンギ先生は「メスをもったミケランジェロ」と言われるほどの技術で、ジャクリーン・ケネディやエリザベス・テイラー、グレース・ケリーなどの名だたるセレブリティが信頼した美容外科の名医。でも僕がいちばん感銘を受けたのは、そういった富裕層の治療をする反面、貧困層の先天性奇形の子供や火傷を負った女性などには、無償で治療を続けていたこと。その姿を見て、悩める医大生だった僕は、僕の目指すのはこれだと心に誓ったんです。
大学病院の形成外科医と連携。セカンドオピニオンにも
その後ガーデンクリニックを開院し、ボランティア外来を始めたのは約10年前。大学病院の形成外科医のご厚意もあり、専門外来としてスタートさせました。例えば、太田母斑はレーザー照射で治療できるのですが、当時は一般病院でレーザーの機械があるところは少なかったんです。そうなると生まれたお子さんにあざがあっても、様子をみましょうとなるか、あるいは負担の大きい植皮手術となってしまう。様子見のまま成長して、お子さん自体が悩むことも多かったんですね。そんな時に美容外科で使うレーザーなら負担も少なく治療ができるので、ご相談に来られる親御さんも多くいらっしゃいました。
現在は病院の設備や技術も進化し、出産時にかかりつけの病院や医師が決まることが多いので、今の治療が最適なのか、もっと別の方法はないかなどのセカンドオピニオンとしてご相談される方が多くなっています。もちろん、ご相談も無料です。
ご家族の心にも寄り添うボランティア外来の意義
赤ちゃんに先天性奇形が見られると、ご家族は驚かれてしまうことが多いと思います。またあざ程度なら、周囲から「よくあること」と言われて月日が経ち、このままで良いのかと考えることもあるかもしれません。ボランティア外来は直接治療するお子さまだけではなく、そんなご家族の不安を和らげることができる。治療を受けるご本人がハッピーになる美容外科とはまた違う、周りの方の心にも寄り添うことができるところにも、このボランティア外来の意義を感じています。
なくてはならない専門外来として
僕にとって、そしてガーデンクリニックにとって、美容外科とボランティア外来はどちらも大切であり、前進していくために必要な両輪のようなもの。もちろん、まだまだピタンギ先生の足元にも及ばないけれど、僕にはボランティア外来をやるべき使命があると信じています。
現在は毎週土曜日に品川院のみで行っていますが、今後は全国の院でも始めたいと考えていますので、気になることがあれば、ぜひご相談ください。