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【Vol-12】
なぜ僕が古い車に魅了されるのか、
その答えは職業にあり?!

前回のコラムでは、子供の頃からのクルマ遍歴?!をお話しましたが、大人になってから好きなのが、古い車。今回はその魅力をお話します。

朽ち果てた車をフルレストア

いろいろな古い車をレストアしてきましたが、一番印象に残っているのが「ノーブルP4」。映画「フォードvs.フェラーリ」でフォードに負けてしまったフェラーリP4のレプリカです。本物は世界に2~3台しかなく何十億円もする車ですが、レプリカは90年代に流行ってけっこう作られたんです。それが、御殿場のスポーツカー博物館が閉館後、入り口に朽ち果てたまま置いてあったのを見て、かわいそうになっちゃって。ある日オークションに出ていることを知り、絶対に生き返らせようと2年かけて復活させました。

古い車だからこそ感じる魅力

もちろん新車でも、素晴らしい車はたくさんあります。でも古い車には、新しい車にはない魅力があるんです。それは“時代”を連想させてくれること。例えば80年代の車なら自分の学生時代を思い出しますし、映画で出てきた車なら、その映画のストーリーや映画を観た時に感動した気持ちさえも蘇ってくるんです。昔の曲を聞くと、その頃のことを思い出すのと同じかもしれません。古い車のデザイン自体はもちろんですが、車が醸し出す世界観みたいなものが好きなんです。

誰もが憧れたかつての美しい姿を取り戻す

そうやってさまざまな車をレストアしていますが、僕は原型を残さないような改造は絶対しません。車のルーツをちゃんと理解し、あくまでも元の形の良さを再現したいんです。かつてその車が新車の時は、ショールームに堂々と並び、きっと誰もが憧れていたでしょう。それがボロボロになって動かなくなり、今は誰も見向きもしなくなったかもしれないけれど、本来の良さは絶対に失われていないはず。だから輝いていた姿に戻してあげたい。それが大好きな車に対する僕の信念なんです。

例えば、日本車であるレクサスをレストアする場合、いくらフェラーリが好きだったり流行っていたりしても、古いレクサスをフェラーリに似せて改造するなんて意味はない。日本車とイタリア車はまったくルーツが違いますし、なにしろレクサス自体が美しい車。だったら、似せるのではなくレクサス本来の美しさを引き出してあげるべきだと思うんです。

“その車本来の美しさ”を追求するのは、美容外科医だから?!

この考えは、実は僕の治療に対する考え方にもつながっています。車と一緒に語ったら怒られてしまうかもしれませんが(笑)美容外科の手術も、まずは、その人本来の美しさをどう引き出すかが大事だと思っています。その上で患者様の気持ちに寄り添い、希望を叶えてあげたい。若返りの治療なら、その人が輝いていた姿に戻したい。そして当時のような気持ちで、毎日をより楽しく過ごして欲しいと思うんです。

車もただ外見をきれいにするだけではなく、すべて走れる状態にしています。僕がどんな状態の古い車でも、少しずつ直して美しい元の姿に戻し、ちゃんと走れるようにまでになることに喜びを感じるのは、やっぱり美容外科の医師だからなのかもしれませんね。